もっちーの鬼ごっこ
小学生の頃、マラソン大会が近くなったら友達とよくランニングをした。その中でも楽しかったのが坂下町に住む友達のしんやとやったもっちーの鬼ごっこだ。もっちーというのは一個上の先輩でしんやの家の近くに住んでいる短髪で黒くてゴリラ顔のボサッとした人物である。彼は別に友達でもなければ話したこともなかった。ただもっちーというあだ名と足が速いというのを何故か僕らは知っていた。
しんやと家の周りを走ろうとすると家からでてくるもっちーを発見する。僕らをチラッと見たもっちーは捕まえてごらんと言わんばかりに走りだす。それに対してもっちー!と叫び僕らは追いかける。これがもっちーの鬼ごっこ開始の合図。もっちーはとにかく速い。スーパーの周りをぐるぐる走る。へんなマンションの柵を飛び越える。ぐんぐん距離が遠くなる。しんやは体力があまりなかったため途中で離脱。僕は足が速かったのでなんとか距離を詰めるもやはりタッチができない。しばらくしてしんやと合流してだらだら歩いていると路地からいきなりもっちー登場。再び追いかけるも捕まえられず。諦めて僕らはもっちーの後ろ姿をぼんやり眺めていた。122号線をもっちーは振り返らずにかけていった。
というのを確か3〜4回はやった。約束もせずにいつも、もっちーは現れた。
バイト中にふとそんな事を思い出しました。
きっとあの鬼ごっこで一回でもタッチできていたらもっちーの事を思い出すことは無いのだろうな。
おかげかは分からないが小学生の時、何度かマラソン大会1位になりました。
んー。ナンプラーチャーハンたべてーなあ。